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【放射能対策委員会だより】放射能から身を守る 3 かんたん 除染方法 <魚編> 

シリーズ第3回目は『魚』について考えてみましょう。
ほーたい便り20

福島原発事故後、海の汚染が気になります。

ですが、放射性物質は海水により希釈、拡散され、放射性セシウムは地上でも海底でも、土壌中の粘土に強く吸着されるので、生物に移行しにくいと考えられます。

海産物の全てを不安がる必要はありません。

放射性物質は海底にとどまっている可能性が高いと思われますので、ヒラメやカレイ、エビ、貝類や海藻類など、海底近くに生息する魚介類は、産地に注意が必要です。

また、海の食物連鎖、生物濃縮の問題が指摘されています。
カツオやマグロのような大型魚は広範囲の海を回遊しているので、高濃度汚染は起きにくいと言われていますが、心配な場合はやはり対策をとりましょう。

アユ、イワナなど淡水魚には注意が必要

川や湖、池にすむ淡水魚は、川底、岩などに付着した放射性物質をエサと一緒に食べ、高濃度に汚染されていることがあります。
湖や池は希釈・拡散が起きにくいうえ、淡水魚は海の魚に比べ体から放射性物質を排出する時間が長く、長期間の影響が心配されます。
アユ、イワナ、ワカサギ、ドジョウなどには充分に注意が必要です。
産地、そして天然ものか養殖か、(養殖の中でもエサが管理された養殖か)などを確認しましょう。

魚介類から放射性物質をカット・ダウン! ~対策編~

・ 妊婦さんやお子さんのいる家庭では、しっかり検査している安心できる食材を選ぶ。検査体制が分からない場合には、汚染された地域から離れた産地の食材を選択。

・ 食材に不安がある場合は、放射性物質を減らす調理法で!
①水(温水)でよく洗う
②頭や皮、骨と内臓をとる(骨、軟骨にはストロンチウム、内臓にはセシウムがたまりやすい)
③ゆでる、煮る
④お酢に漬ける
⑤食塩水に漬ける(いずれも、使った水や湯、お酢等は捨てる)
などの方法あり。味噌漬け、塩漬けも除去効果あり。

・ 丸ごと食べたい小魚などは、検査済みのもの、安心な産地のものを。
※カルシウム不足だとストロンチウムが入り込みやすくなるので注意

・ 貝やエビ…3%の塩水で洗うと、貝やえびに取り込まれやすいストロンチウムが30%~70%除去される。(1965~1968年、国立栄養研究所年報・佐々木論文より)

・ 食べ合わせで排出!…海藻類、特に昆布はミネラルが豊富。野菜や果物はカリウムが多く、果物の中でも特にリンゴ、ミカンにはペクチンが含まれており、ともに放射性物質の排泄促進作用が知られている。
(ただし、昆布を毎日食べ過ぎると過剰摂取のリスクが発生。ヨウ素の一日の必要量は、0.2mgとされているので、生の昆布なら1gほどで充分。干し昆布だと水で戻す時にミネラルの約90%が水に流れ出るので、戻す水を飲まない場合は、戻した状態で10gの昆布を食べると一日の必要量が摂取できることになる。)

・ 味噌、醤油、納豆など伝統的な発酵食品は放射線防護作用があると言われている。

・ 放射性セシウムをとると体内に活性酸素が発生。活性酸素を分解するには亜鉛が必要。亜鉛は貝のカキ、肉類全般、種実類や豆類、魚介類、卵類などにも多く含まれる。

・ 遺伝子の修復や分裂には多くの酵素が関与。酵素が働くには多数のミネラルが必要。よい食材や良いだしで、充分なミネラルを摂取することが、放射線障害を防ぐ対策となる。

第20号 ほーたい便り by 放射能対策委員会より