天笠先生よりコロナウイルス感染に備えるために「メッセージ」をいただきました
新型コロナウイルスとどう向き合うべきか?
新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。
このような新型感染症の登場や拡大は、近年になり増え続けています。この数十年間を見てもエイズ、エボラ出血熱、西ナイル熱、コロナウイルスの変異であるSARSとMERS、そして今回の新型と、さまざまです。
それをもたらしている最大の要因が、経済のグローバル化です。貿易の自由化・促進が図られ、それが物や情報だけでなく、動物や人間の行き来を拡大・加速し、感染症の局所的な発生を世界的な拡大に変えてきました。もう一つの大きな要因が、地球規模での環境破壊で、温暖化の進行がウイルスの宿主となる生物に影響し、ウイルスの生存戦略に変化をもたらし、熱帯雨林の破壊が、病原性ウイルスの文明社会への流入をもたらしてきました。加えて、相次ぐワクチンや抗ウイルス剤の開発が、ウイルスの生き残り戦略をかけた変化をもたらしてきました。いずれにしろ経済優先社会が引き起こした人災的要因といえます。
—ではウイルスとどのように付き合っていけばいいのでしょうか—
人間にとってウイルスはなくてはならない存在です。人間のDNAの半分以上はウイルス由来であり、他の生物の遺伝子を移し入れることで、人間の進化にとって大切な役割を果たしてきました。しかも大半が人間と共存している大切な存在です。しかし、いまの社会は、ウイルスや細菌を敵視し、清潔志向を強め、抗菌グッズや除菌消臭剤を広め、免疫力低下をもたらしてきました。その結果、子どもたちの間では病気への抵抗力が落ち、アレルギーや過敏症が増加しています。
—有効な対策はあるのでしょうか—
自分の免疫力以外、基本的にはないといっていいでしょう。ウイルスとの闘いに人間は勝つことができません。人間がウイルスを敵視して闘えば闘うほど、ウイルスは変化し、時には今回のように新型のウイルスが登場します。ウイルスの場合、抗生物質は効果がなく、そのためワクチンや抗ウイルス剤が用いられてきました。その結果、赤ちゃんの時からワクチン漬けの状態になり、時には重篤な副反応を引き起こしてきました。抗ウイルス剤は、タミフルが異常行動や突然死をもたらすように、副作用がきわめて大きくなります。なぜかというと、人間とウイルスの関係の深さにあり、ウイルスを攻撃することは自分自身を攻撃することにつながるからです。そのため、この感染症との闘いに人間は、最終的には自身の免疫力以外に勝つことはできません。そのため被害は免疫力の弱い、体力のないお年寄りや免疫システムが未発達の赤ちゃんや子ども、あるいは疲労して体力が弱った人などに集中します。
—自分を守るにはどうすればよいのでしょうか—
マスクや手洗い、うがいは基本ですが、限界があります。濃厚接触によって感染は拡大しています。密閉空間での人が多いところは避けてください。
最も大切なのは、体力をつけ感染症への抵抗力をつけることです。きちんとした食事をとり、運動を行い、体力をつけ、ストレスのない生活を送ることです。
中でも食の問題は大きく、栄養バランスを考えた安全性が高い食品をきちんと食べることが大事です。そのことを、今回の新型感染症は改めて伝えてくれています。
2020.3.23(天笠啓祐)
ナチュラルコープでは3月25日に予定していました「コロナウィルス感染に備える学習講演会」を、残念ながら、開催延期としましたが、講師の天笠啓佑先生よりナチュラルコープ組合員へ貴重なメッセージをいただくことができました。