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マイクロプラスチック問題学習会報告

マイクロプラスティク学習会報告

6月8日(土)第33期通常総代会の午後企画として、
日本消費者連盟環境部会より栗岡理子氏をお招きし、マイクロプラスチックの現状と危険性について学びました。

マイクロプラスチックの定義は5㎜以下のプラスチックです。

人が出したプラスチックゴミが細かくなって大気、土壌、河川、特に海域を汚染し、有毒化学物質を吸着して生態系に取り込まれ、地球規模で問題となっています。

既にヒトの体内からもマイクロプラスチックは検出されています。

 

熱回収と輸出に依存する日本のプラスチックリサイクルの現実

 

日本では、年間899万トンものプラスチックゴミが出ますが、このうち国内で再生利用されるのはわずか8%。残りの約90%は、燃やして熱エネルギーを回収する「熱回収」、中国などアジア諸国への輸出、国内での埋め立てなどです。

しかし熱回収は大量のCO2を排出するほか、ダイオキシン類対策の処理施設には莫大な費用がかかります。

また、2017年に中国が輸入規制を始めたことで、日本のプラスチックゴミの行き場がなくなる問題も起きています。

 

マイクロプラスチックはどこからくるのか?

 

海洋ゴミなど大きなプラスチック製品が波や紫外線、生物により破片化したもの(レジ袋1枚が175万個の破片に!)や、家庭での洗濯、掃除による合成繊維のくず、メラミンスポンジなど生活排水から流れ出るもの。プラスチック原料のレジンペレット、クッションや洗顔料に使用されるマイクロビーズ、人工芝からも。

身近なところで日々大量のマイクロプラスチックが発生しています。

 

マイクロカプセル問題とマイクロプラスチックの危険性

 

マイクロカプセルとは、柔軟剤などに入っている香り成分を包み込んだカプセルで、壁材にイソシアネートなどの有毒物質を含むプラスチックが使われ、これが空気中に飛散し健康被害(香害)が拡大しています。

また下水道に流され、海洋マイクロプラスチックの一因にもなっています。

微細なプラスチックは海洋に残留しているDDT やPCBなどの有害化学物質を高濃度に吸着します。

プラスチック自体にも環境ホルモンなど有毒化学物質が含まれ、これらが食物連鎖により生物濃縮されていきます。

 

日本は〝ホットスポット〟

 

海洋ゴミの82%はアジア地域に集中しており、プラスチックゴミの処理体制が整っていないアジア途上国への輸出が要因の一つと考えられています。

日本周辺でのマイクロプラスチック濃度は世界平均の27倍にも上り、2030年には今の約2倍になるといわれています。

既に東京、大阪湾など全国各地の魚4割からマイクロプラスチックが検出されています。

 

私たちができること

 

有用なプラスチック代替品は今のところなく、再生利用もほとんど出来ていない現状をふまえると、私たちが今すぐできることは、生産・使用を減らすことです。

プラスチック製品を極力買わない、使わない。芳香剤、柔軟剤、殺虫スプレーなどの化学物質も極力使わない。昔ながらの生活をお手本にすると意外とできます。

 

質疑応答(抜粋)

 

質問「海塩にもマイクロプラスチックが含まれるのか。」

回答(栗岡)「おそらく含まれている。しかし、現時点では人体に影響はないと考えられ、食品そのものの栄養価も大切なので摂ることを勧める。」