農家見習い日記 力になり隊 ~(株)ニッコー 自社農園編~
10月の秋晴れの中、商品委員・職員総勢6名で、中華丼や餃子等でもお馴染みの(株)ニッコーの自社農園に行って参りました。
(株)ニッコーは、食材の栽培から製造・加工まで一貫して行っている先進的なメーカーです。
今回の作業は、
- 「モロヘイヤ」収穫後の片付け と 「サツマイモ」の選別です。
「モロヘイヤ」収穫後の片付け
モロヘイヤは、カロテンをはじめ、ビタミンやミネラル・カルシウム等を豊富に含む栄養価の高い夏バテ防止にもぴったりの野菜です。
ニッコー×ナチュラルと言えば、 『モロヘイヤ餃子』
お蔭様で今年も美味しくいただきました と感謝して作業に取りかかりました。
ひと夏で育ったモロヘイヤは、2mもの高さとなり、収穫時期を終えて畑一面になぎ倒されていました。
その高さを支えていた茎は、見た目よりかなり硬く筋張っており、根も非常に強く張っています。
その為、収穫後はこの茎を、まず鎌を使って手で短く刈り、その後、機械で根を掘り起こすのだそうです。茎の太さは1cm位のものも!
刈り終えた茎は、隣の畝に束ねて、暫く乾かします。
その後は、繊維が強すぎる為、焼却するしかないのだそうです。
そのような硬い繊維の詰まった茎を刈る作業は、思いの外難しくコツが必要で、15分もすると額から汗が流れ出る程力の要る重労働でした。
ひとしきり茎を刈り終えたら、次はビニール製のマルチを外します。ビニールが土に残らないように、二人がかりでそうっとそうっと。
ニッコーさんの自社農園は、除草剤や農薬を使わず、水は水道水は使わず、近くの川から汲むか、浄水したものを運んでいるそうです。
肥料は自社で作る加工食品の残渣を利用し、循環型の農業を実践しています。
「サツマイモ」の選別
サツマイモを1年中腐らせず長期保存するには、収穫後できるだけ早く時間をおかずに、30~34℃で72時間置く「キュアリング」という処理の後、適温の12〜14℃で貯蔵するのだそうです。
15℃以上になると芽が出てしまい、10℃以下では腐ってしまうというデリケートな野菜だと知りました。
また、キュアリングすることで、表面上の傷がかさぶた状にコルク化して、雑菌の侵入を塞ぐことができ腐りにくくなるのだそうです。
サツマイモについての説明を受け、いよいよ選別作業です。
今年のサツマイモは訪問の翌週に収穫するということで、今回は昨年収穫し、上記の方法で貯蔵していたサツマイモを以下の3種類に選別しました。
(3)使えない(小さすぎる・腐っている)
最初は迷いが多く、隣の人に相談したりしながら時間が かかりましたが、次第に感覚が分かってきて、終盤は瞬時に選別できるようになりました。選別の後は、ケース毎 一定の重さに計量してトラックに積み込んで作業は終了です。これらのサツマイモは、大学芋やコロッケになるとのことです。
スイートポテトの構想もあるようですが、裏漉し作業が大変で未だ商品化には至っていないとのことです。スイートポテトを含め、今後もいろいろな商品の開発・展開を期待したいですね。
(株)ニッコーでは、函館にも農場があり、サツマイモは昨年より主に函館で育てています。サツマイモと言えば九州ですが、今九州では病気等で収穫しにくくなっているそうです。温暖化の影響でしょうか。
(株)ニッコーで育てているネギや白菜も1か月程収穫が遅れているそうです。
このように、気候変動が激しく、従来通りの栽培が難しくなってきた昨今、ニッコー農園責任者、石井さんの土づくりへの探求心は止まりません。
伺う度に進化しており、毎度お話を伺うのが楽しみです。
北海道では、農家の後継問題等も深刻になってきているとのことでした。後継ぎ問題は、他の農家さんを訪問しても悩みの種となっており、深刻な社会問題と言えます。
私達の命を支えてくださっている農家さん、私達みんなにとって大切な存在です。
その農家さんに、継続して安全で美味しい商品を作り続けていただく為にも、組合員みんなで支え合っていかねばと改めて思いました。
そんな思いを馳せながら、皆さんも是非、沢山注文して食べてくださいね♡
農家見習い日記 2023.10.18 商品委員会より