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【委員会だより】八千代牛乳 高秀牧場へ親子で日帰りバスツアー 美味しい牛乳の秘密は?

八千代牛乳 高秀牧場バスツアー

8月1日、組合員の皆さんと、八千代牛乳生産者、千葉県いすみ市の高秀牧場を見学してきました! 高橋社長から美味しい牛乳の秘密、放射能対策等、うかがいました。

★飼料づくり★

以前は一般的な牧場と同じく輸入飼料が主でしたが、海外飼料の値上りもあり、2009年からエサの自給率100%を目指し、近隣の農家さんの協力を得て飼料用米の生産を始めました。飼料用米栽培には国から補助金が出ます。協力農家の経営も飼料供給も安定し、non-GMO、減農薬の飼料自給率は現在75%!牛に与えている飼料は玄米・発酵稲ワラ・トウモロコシ・ビールの搾りかす・酒粕・みりん粕等の配合だそうです。美味しい牛乳の元はこの自家配合の飼料ですね。

★循環式酪農★

自然の資源を無駄なく循環させる酪農です。牛の尿はプールに集めて発酵させ液肥になります。この液肥を使用した田んぼは、化学肥料で弱った土が蘇えり、追肥も必要なく、減農薬で美味しい米ができるそうです。牛の糞は1年ほど発酵させ乾燥し堆肥になります。しっかり発酵しているので匂いもなく土のようです。良質な配合飼料を食べた牛の糞から作れた堆肥はやはり良質で、野菜作りや果物作りに役立っています。噂を聞いて訪ねて来た農家の方は、堆肥を一口食べ「なるほど!」と唸ったそうです。「牛はえさを牛乳に変えるだけでなく、尿は米作、糞は畑にと、すべての食べ物に影響しています。また、肉は食用、皮は革製品、爪や角はボタン等と本当に無駄がなく偉大な生き物。感謝しているので牛より先にご飯を食べないことにしています。さらに素晴らしいのは、心を病み療養に来る人が牛と生活するうちみるみる元気になるんです。私は感謝を超えて牛を尊敬しています。」と、高橋社長はおっしゃいます。牛と自然が調和する循環式酪農は、地域の活性化や食の安全にも貢献しています!

★放射能対策★

東電福島原発事故直後の牛乳は10Bq/kg前後の汚染が確認されました。すぐに検出不可能まで下がり、現在も毎週放射能検査しており検出されていません。牧草も事故後5月には国の基準値200Bq/kgを超える汚染が確認されました。汚染された牧草は刈り取り、国の指示で現在も牧場の片隅に積んであります。その後に種をまき8月に収穫したトウモロコシからは放射能は検出されず、「30年位汚染が残るのではと心配していたのでホッとした。」とおっしゃっていました。事故後も長く残る汚染に心痛む思いをされた高橋社長は、牛舎の屋根にソーラーパネルを載せ太陽光発電をしようと試みたそうですが、周辺は電力消費が少ない地域のため、大量発電が可能なパネルの設置には東電から許可が下りませんでした。
そこで次に考えたのが牧場ならではの発電、バイオガス発電。牛の糞や尿で発電するのが夢だそうです。ぜひ実現していただきたいですね!!

搾乳体験の牛さんありがとう!

お話の合間には、バターづくりや乳しぼり体験でお子様も楽しんでいただけたようでした。お昼はBBQ、さらに工房のジェラートや、ジャパンチーズアワード金賞のチーズ、世界大会スーパーゴールドメダル受賞のブルーチーズ等試食させていただきました。とても美味しかったです♥高秀牧場の皆さん、ご参加いただいた組合員の皆さん、ありがとうございました!!

(放射能対策委員会 ほーたい便り第34号より)

生産者情報】千葉北部酪農農業協同組合(八千代牛乳)はこちらから