NCYニュース

北海道、山梨、福岡の生産者からの報告~米・卵・油について 現状と課題~

7月7日開催の「萌の会」第22期総会では、お米の生産者、卵の生産者、食用油メーカーの方々から、生産現場が直面する課題や、取り組みについてお話を聞くことができました。

ネオニコフリーへの取り組み JAきたそらち北竜支所 北清さん

 

きたそらち

 ひまわりライス生産組合では「生産情報公表農産物としてJASマークを取得し、お米の生産者や生産履歴がHPで見られる」「農薬統一」などの取り組みを行い、消費地とつながりを重視した安全・安心な米作りをしています。

 この度ナチュラルコープの生産者交流会に参加して、ネオニコチノイド系農薬(ネオニコ農薬)不使用の米作りについてご指導いただき、検討に入りました。

 私たちは全町126戸で農薬を統一しているので、農薬一つ変えるのにもいろいろな手続きが必要です。まずは実験してみようと、昨年、山間部や平地など特徴的な圃場でネオニコ農薬でない農薬を使い試してみました。

 結果、おおむね例年と遜色なく栽培できたので、今年は全町でネオニコ農薬は一切使わない栽培に取り組みました。今のところ平年並みの生育で、秋にはネオニコフリーのおいしいお米をお届けできると思います。

鳥インフルエンザの現状と感染予防の取り組みについて ハイチック 佐藤さん

 

 鳥インフルエンザの発生は秋から翌年の春までとされています。今シーズンは26道県で発生し、全国の鶏の1割に当たる過去最高の1771万羽が殺処分されました。それにより経験したことのない卵不足となり、卵の値段が高騰しました。ウイルスが同時期に広範囲に国内に侵入し、それを野生動物が広げたことなどが感染拡大の原因として挙げられます。

 これまで山梨県では鳥インフルエンザは確認されていません。山梨が内陸県で多くの山に囲まれていることで他県より恵まれている土地なのではと思っています。幸いにもわが社が卵を供給し続けられたのも、山梨という立地と、徹底的な対策が重なってのことです。今後も基本的な対策を行い、卵の安定供給に全力を尽くしていきます。

穀物価格高騰の現状と今後の予想について 平田産業 平田さん

 

平田産業

 現在、ウクライナ戦争で食用油の原料である穀物が高騰しています。ヨーロッパやアメリカでは植物油(大豆油、トウモロコシ油、パーム油など)が燃料として使われる比率が高くなっています。

 一方、世界では人口増加の国が多く、それにより油の消費が飛躍的に伸びています。

 このように世界の人が世界の穀物を買い込んでいくのでどうしても日本は買い負けしていきます。それをどのようにかわすのかが我々の責任です。

 平田産業は遺伝子組み換えしていない原料のみで油を作っています。今年の4月から遺伝子組み換えの表示がとても厳しくなりました。今まで5%未満の混入なら「遺伝子組み換えでない」と表示できましたが、4月からゼロでないと表示できなくなったのです。表示を継続できなくなる会社も出てくるでしょうが、我々は今後とも「遺伝子組み換えでない」の表示を続けていくつもりです。

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