「海の精」見学ツアー報告 〜おいしい塩は海からのおくりもの〜
2017年7月5日(水)、伊豆大島にある「海の精株式会社」に、塩工場の見学に伺いました。
海の精の塩は、伝統製法です。海水をポンプで汲み上げ、塩田で濃縮し、煮つめて塩を作ります。太陽、風、火の力で、手間をかけて、海水からどのように塩が作られるのかを実際に見てきました。
熱海から高速ジェット船で約1時間、青い海の上に浮かぶ緑の島が大島です。富士箱根伊豆国立公園の中にあります。海の精社長の寺田さんから、ご案内いただきました。
海の精の伝統製塩法
1. 海水を天日で濃縮
伊豆大島の海水をポンプで汲み上げ、ネット架流下式塩田で、太陽や風の自然エネルギーを利用し、海水の水分を蒸発させて濃縮します。
ここの塩田の建物や装置は、ほとんどすべて自分たちで作っています。
また塩害で機械類がすぐにダメになってしまうので、全部を機械化することはできません。海水をポンプで汲み上げるのも手動でやるので雨が降ってきたら、夜中でも飛んできて止めなければなりません。塩づくりは、手作業が中心です。
2. 平釜で煮つめる
濃縮した海水を、平釜で一昼夜煮つめて、塩を結晶させます。
ただ長く煮つめれば良いというものではなく、天候によって毎日微妙な調整をしながら、ミネラルや、ニガリが程良く残るようにします。
濃縮した海水の色は、季節によって変わります。夏は海藻が多いので濃く、冬は薄いのです。酸を入れれば色は消えますが、海の精ではやりません。
また、海の精では日本の伝統製法の平釜を使います。立釜は使いません。立釜は少ない燃料で効率良く作るための大量生産向きの道具です。
3. 成分を整える
煮上がったら攪拌することで成分を整え、未結晶のニガリ液を分離します。
4. 包装
出来上がった塩をきめ細かく検品し、包装します。
検品は熟練した地元の主婦達が手作業で行っています。
海の精の伝統的なこだわりの塩づくりは、人手で支えています。
過酷な体力仕事でもあります。
参加者の声
・こんなに大変な手間でこの値段はむしろ安い。いつもおいしい塩ありがとうございます。
・塩に味がある事が海の精でわかりました。
・塩を作るのにこれだけの工程を経ていることにビックリ!これからもこの製法を是非守ってください
・4年前の災害が大島にあったことを覚えていて復興していることがすばらしい。
・色々な人に知って欲しい。
・これだけこだわりを持って作っている「おしお」を使えて良かったです。
・常に新しい工夫を絶やさない本物にこだわる職人気質を感じました。
海の精の皆さん、今回はお世話になり、本当にありがとうございました!
今後ともどうぞよろしくお願いします!
食いしん坊通信 vol.29 by 商品委員会より