丹沢農場(旧中津ミート)学習会 オンライン開催しました!
3月18日(金)、エリアフレンズ初の試みとなる合同オンライン学習会が開催されました。丹沢農場代表取締役の松下社長、ナチュラルコープ担当の太田さんが参加して下さり、組合員・事務局合わせて31名が参加しました。
会社紹介
丹沢農場は神奈川県愛甲郡愛川町で養豚(海老名畜産)から精肉・ハム・ソーセージなどの加工まで一貫生産を行っています。飼料や生育環境にこだわり、美味しさと安全はもちろん、アニマルウェルフェア(動物福祉)の精神に則り、豚に優しく、地域環境にも配慮した会社です。
松下社長のお話
「中津ミート」は4月から「丹沢農場」になります
松下社長はまず社名変更のお話をされました。
養豚を行う海老名畜産は60年前に先代が起こした会社。当時は養豚業と加工・販売業で会社を分けなければならず、海老名畜産とは別に中津ミートを立ち上げた。その後、法律が変わり(※)この度、二つの会社を合併することにした。慣れ親しんだ社名を変えてしまうが、より安全で美味しいものを作っていきたい。
飼料の暴騰
今一番大変なのは飼料の暴騰。世界的に穀物の価格が高騰している。背景には中国の買い占めや不作がある。さらにnon‐GMOの飼料はGMO飼料と比べて20%程高い。対策として国産の玄米を飼料に配合することで脂の質も良くなった。国産米の価格も上がっているので、今後は米生産者から直接仕入れるなどの工夫をしてこれからも安全で美味しいものを作っていく。
松下社長は最後に「どんなに飼料が高騰しても味や安全、品質は絶対に変えない」と力強い言葉でお話くださいました。
※2011年に「6次産業化・地産地消法」が施行され農業者による加工・販売事業が可能となった
太田さんのお話
中津ミートのこだわり
ナチュラルコープ担当の太田さんが中津ミートのこだわりを説明してくださいました。その特長は大きく分けて3つです。
①飼育環境へのこだわり
中津ミートの養豚場は自然豊かな丹沢の麓に位置していますが、街と隣接している「都市近郊型」の養豚場でもあります。豚が快適に過ごせることはもちろん、ニオイや排水など地域環境に配慮した飼育環境を整えています。
その大きな特長が、深さ1.2mまで剪定枝チップを敷き詰めた豚舎です。剪定枝の上で飼育することで、糞尿が土着微生物により分解され臭気が大幅に軽減されます。また、豚は剪定枝を口ではんだり、穴を掘って暖をとるなど本来の習性に則した環境で過ごせます。手間と時間は非常にかかりますが、豚と地域環境に良い豚舎を実現しました。
また副産物としてよい堆肥ができるため、ナチュラルコープ生産者の千葉さんなど近隣の農家に使ってもらい地域連携を促しています。
②飼料へのこだわり
豚肉の味は品種35%、飼料65%で決まるといわれています。中津ミートでは飼料の残留農薬を避けるためnon‐GMO・PHF飼料を使用。
加えてサツマイモや国産玄米を使用することで脂が甘くなり豚肉のうま味を引き出しています。
③精肉・加工へのこだわり
ハム・ソーセージ加工でキーとなるのがドイツの伝統的な製法である「温屠体(おんとたい)」です。成長した豚は近くの屠畜場に出荷され、新鮮なうちに中津ミートの加工センターへ運ばれます。この新鮮な肉をミンチ状にしたものが「温屠体」。餅のような強い粘りがあり、これを使うことで結着剤などの添加物を使用せずに、肉本来のうま味を感じる美味しいハム・ソーセージを作ることが出来ます。
質疑応答(抜粋)(回答:太田さん)
Q.ハム・ソーセージの.塩分は減らせるか。また、どんな塩を使用しているか。
A.塩分は衛生管理のガイドラインで定まっており減らせない。添加物不使用なので市販品より塩味を感じやすいかもしれない。塩は「海の精」を使用。
Q.精肉は冷凍できるか。
A.パックのままであれば1ヵ月ほど、密閉袋で空気を抜けば3ヵ月ほど冷凍保存が可能。
Q.おすすめ商品は?
A.小間切れ肉が人気。一頭買いなので市販品にはないお得な部位が入ることも。また、脂が美味しいのでバラ肉やブロック肉もおすすめ!